意味はないけれど、価値があること。
今日は、むかし見たあるドラマを題材に、「意味はないけれど、価値がある」と思えるものを持つことの大切さについて書いてみたいと思います。
意味はないけれど、価値があること。
むかし見たドラマに、次のようなシーンがありました。
舞台は、とある進学校。
大学受験に向け、授業中に内職(他の科目の勉強をすること)をする子も少なくない。
女子生徒Aは、他の生徒と同じように、放課後には塾に通い夜遅くまで勉強をしている。
学校にも友人らしい友人はおらず、授業時間以外ではイヤホンをして過ごしている。
Aとは反対に、女子生徒Bは、部活動にも精を出している。だからといって勉強をおろそかしにしているわけではない。
女子生徒Bは、棒高飛びの練習を来る日も来る日も続けている。
そんなBの様子をそっと見守る担任C。
Bは、中学時代のトラウマ(大会での大失敗)を乗り越えようと、ひとり闘っていたのだった。
ある日のこと、いつものように失敗しては立ち上がり、また跳び続けるBの様子を目にしたAが、「あんなことしたって、意味ないのに。バッカみたい!」と呟く。
それを耳にした教師Cはひと言、
「たしかに意味はないかもしれない。でも、Bにとっては価値があることなんだ」
とAに告げる。
教師Cが伝えたかったこと
このドラマのタイトルも、出演していた俳優も、なにひとつ覚えていません。
ただ、教師Cのこのセリフだけはなぜかハッキリと覚えています。
胸に刺さるものがあったからだと思います。
このドラマの舞台は進学校です。
どれだけ時間を有意義に使い、どれだけ成績を上げ、どれだけ良い大学に合格するかがすべてというような環境です。
そんな環境で、棒高跳びの練習に励むBは異質な存在です。
AはBを目にする度に「そんな暇があるなら、勉強すればいいのに」と思っていたことでしょう。
Aが呟いた「あんなことしたって、意味ないのに」という言葉は、
「棒高跳びなんかいくら高く飛べたって、将来には繋がらない」ということだと思われます。
「将来に繋がる」とは、ランク上位の大学に入って、立派な仕事に就くことを指しています。
Aをはじめとするクラスメートたちは、みな合理主義を貫いています。
ムダな時間を省き、最高の結果を出すことに注力しているのです。
棒高跳びの練習をし続けるBは、合理主義とは真逆の行動をとっており、Aのような子たちの目には、「ムダ」と映っていたことでしょう。
そんな中、教師Cは、「たしかに意味はないかもしれない。でも、Bにとっては価値があることなんだ」と言います。
大学受験の成功や就職という目に見える結果には直結しないかもしれないが、Bが自身のトラウマを乗り越えることは、これからの人生を考えると、価値のあることだということが言いたかったのかなと思っています。
目に見える結果に直結しないこと
人はなにかといえば、わかりやすく目に見えるものに惹かれます。
例を挙げると:
良い高校、大学、人に言えばわかってもらえる就職先、有名な国家資格、高スペックな配偶者、高級住宅街の一軒家、血統書つきの犬etc..
こんな感じでしょうか。
わかりやすく目に見えるものに惹かれるがあまり、合理主義に拍車がかかってしまうケースもあることでしょう。
しかし、Bが棒高跳びに挑戦し続けたように、傍から見たら「なんであんなことを必死にやっているの?」と思えるようなことでも、当の本人にとっては「価値がある」ことってあるのかもしれない、と思っています。
たとえば私の場合、大学時代から断続的にではありますが、フランス語を学び続けています。
フランス語と出逢ってからは、かれこれ30年が経ちます。
途中、いろいろな事情があって、まったく触れていなかった時期も当然あります。
それでも完全には捨てきれず、続けてきたのはなぜだろう?
たまに考えることがあります。
仏検(英検のフランス語版)に受かるためだとか、そういう「試験合格目的」の段階は既に通過しています。
これ以上続けたところで、社会的ステータスが上がるわけでもありません。
それでも、やめられないですし、やめてしまってはダメだと思えるのです。
これって、フランス語を続けることに「価値」を感じているからなのかな…と最近気付きました。
出世や昇給に繋がるわけでもないので、そういう意味では「意味はない」。
でも、私という人間で居続けるためには、「やる価値がある」。
そんなふうに思っています。
みなさんにも、目に見える成果に繋がるわけではないけれど、ご自身の中に「価値」を感じて続けていることはありますか?
… 書いていて、いま気が付きました。
私にはもうひとつありました。
ブログです!!
お金儲けできるわけでもないし、有名人になれるわけでもない(なれる人もいますが)。
それでも書き続けるのは、自分の想いを文章にすることに「価値」を感じているからなのかもしれません。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
また次回、ここでお会いしましょう。
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