京都歩きと開運メモ

~50歳からの毎日を楽しむ~

孤独を愛して初めて幸せになれる?~『幸福について』ショーペンハウアー

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今日はドイツの哲学者、ショーペンハウアーの著作『幸福について』の内容をご紹介したいと思います。

 

哲学書なんて敷居が高いと思われるかもしれませんが、何を隠そう私が読んだのは【講談社まんが学術文庫】すなわち漫画です。

 

漫画といえど侮るなかれ。

とても濃い内容でした。

 

「どうしたら幸福になれるの?」

「もっと幸せになりたい!」

 

そう思っている方に、ぜひお読みいただけたらと思います。

 

『幸福について』の中でショーペンハウアーが述べている事柄のうち、特に重要だと思われるポイントについてご紹介していきます。

 

孤独を愛せて初めて幸せになれる

人間は他人と合わせようとして、自分の4分の3を失う。

できるだけ幸福に生きるためには、自分自身の中に享楽を見出す術を持つこと。

最高の幸福が自身の内部にある人間は、外部の享楽には無関心になる。

よって、孤独な生活になる。

 

ショーペンハウアーは、自分で自分を楽しませる術を身につけろと説きます。

 

そして、最も高尚な享楽として、「芸術に勤しむこと」を挙げています。

 

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主著は『意志と表象としての世界』

 

自分の中に楽しみを見出してる人間は、周りの人たちが何をしていようと気にならないということですね。

 

SNSの普及・発展により横の繋がりに意識が注がれ、孤独を恐れる人が増えている印象があります。

 

ですがショーペンハウアーの説によれば、過度に孤独を恐れることは、もっとも幸福から遠くなる方法なのかもしれません。

 

最も重要な要素は「人柄」である

人間は、3つの基本規定に帰着させられる。

①人柄、品性、個性、人間性(健康、力、美しさ、気質、徳性、知性が含まれ、かつこれらを磨くことも含まれる)

②所有物と財産

③その人が与える印象、すなわち他人からどのように見られているか

 

ショーペンハウアーは、これら3つの要素のうち、幸せになるために最も重要なものは、①の「人柄」であると説きます。

 

なぜなら、「人柄」は一生を通じて誰からも侵されることのない絶対的な価値だから。

これに対し、②と③は相対的ですね。

 

その「人柄=人となり」の中でも、一番大切なのは、健康と心の朗らかさであるとも述べています。

 

たしかに、心が朗らかであれば、どんな苦難に見舞われても、挫けることなく人生に立ち向かうことができる気がしますね。

そして、物事の明るい面を見ることができることから、必然的に幸福感は増すと思われます。

 

幸福の9割までは、もっぱら健康に基づいている。

 

これは前述の内容につながりますね。

ショーペンハウアーは70代になっても規則正しい生活習慣を維持し、冷水摩擦まで行っていたようです。

 

幸せのはかり方

その人が幸福かどうかは、何を楽しんでいるかではなく、何を悲しんでいるかでわかる。悲しんでいることがつまらないことであればあるほど、その人は幸せであるといえる。

 

「最近なにか悲しいことあった?」

ー「昨日より1キロ太ったぁ~!」

 

はい、幸せな人認定されました(笑)

 

みなさんも、周りの大切な人に「最近なにか悲しいことあった?」と尋ねてみてくださいね。

 

平凡な人と優れた人の違い

他人と会話をすると、その人の考え方や気持ちが似ているか違っているかがすぐに分かる。似ているとすぐに打ち解けるし、似ていないと違和感が残る。

平凡な人たちは、すぐに仲間になるが、優れた人はそうはいかない。

 

Twitterで恋愛に関する呟きを発信し続け、モンスター級の人気を博した方に関する記事を読んだことがあります。

とにかく「自分」というものを殺して、読んだ人が「共感」してくれることだけを呟く。

その戦略が功を奏し、一躍大人気になったそうですが、自分の中では葛藤があったそうです。

 

フォロワーの人たちは「自分」に興味があるのではなく、自分が書いたその「文」を見て癒やされたいだけなんだということに気付き、ある日を境に、一人称の主語を入れて自分の思いを呟く方針に変えたそうです。

 

すると、またたく間にフォロワーが減ったそうな。。。

 

それだけ人には「共感」を求め、「異質なものは目に入らないようにしたい」という心理があるのだなと思いました。

 

 

このエピソードは、ショーペンハウアーが述べている内容にも繋がりますね。

 

優れた人というのは、他の人達が考えつかないことを言ったり、行動に移したりします。

そういった姿が共感を得ることは難しく、やはり孤独になりやすいといえるのかもしれません。

 

しかし、広い世の中、そのような優れた人にも必ずや賛同してくれる人は現れることでしょう。

孤独を恐れることなく、自分の道に邁進することが大切なのだと思います。

 

普通の人々は時間をつぶすことに心を用い、才能ある人間は時を利用することに注力する。

 

ショーペンハウアーの説は一貫していますね。

 

たしかに、私の知人の中でも抜きん出た結果を残している人たちは、時間の使い方が大変うまく、そしてシビアです。

誇張なしに、「一分一秒が大事」という感じです。

そういう人たちには無駄な時間をとらせてはいけないと思うので、話しかけるときに少し緊張してしまう自分がいたりします(汗)。

 

シビアな姿勢を貫いていると、人が離れていってしまうような気もしますね。

 

しかし、孤独を恐れていては自分の才能を発揮することは難しく、幸福感も失われてしまうといえるでしょう。

 

天才の素質

天才の素質:

①活発で落ち着きがない。

②想像力が強烈。

③実生活上の弱点が目立つ。

④眼光に鋭さがある。

⑤インスピレーションが鋭い。

⑥数学に強い嫌悪感を持っている。

 

これは面白いですね!

③の「実生活上の弱点」というのは、家事や身の回りのことがちゃんとできないという意味のようです。

なんとなくワタシは「天才」と聞くと、髪の毛がぐちゃぐちゃだったり、ズボンからシャツの裾が飛び出てしまっている人を連想します(笑)。

 

⑥の「数学に強い嫌悪感を持っている」は不思議ですね。

では、数学の天才はどうなってしまうのでしょう?

 

ショーペンハウアーは、この「天才」の素質を、彫刻家になることを夢見る少女に語っています。

ですので、ここでいう「天才」というのは、芸術分野での天才のことを指しているのかもしれませんね。

 

皆さんの周りに、この6つの要素を満たす人はいますか?

 

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番外編

「先生はどうしていつも犬と一緒なのですか?」

ー「犬がいないなら、死んだほうがましだからだ」

 

ショーペンハウアーは犬をとても可愛がっていたそうです。

孤独を受け入れていた彼にとって、愛犬は唯一の相棒だったのかもしれませんね。

 

ショーペンハウアーの『幸福について』を読んで

ショーペンハウアーは63歳にまるまでまったくの無名でした。

17歳で父親を亡くし、母親に捨てられます。

63歳になるまでに出版した本はすべて絶版。

大器晩成の典型のような人ですね。

 

この本を読んで、自分の内に楽しみを見つけ、周囲を気にしすぎることなく自分の世界を追求することの大切さを再確認することができました。

 

ショーペンハウアーは「芸術に勤しむ」ことを猛プッシュしていますが、ワタシには芸術の素質がなく。。。

絵も歌も楽器も向いていません。

 

ブログに勤しむことでも十分、自分の内に楽しみを見つけることになりますよね、きっと。

 

この記事が、皆さんの幸福な人生の一助となれば幸いです。

 

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本記事でご紹介したショーペンハウアーの『幸福について』。

漫画バージョンはとても読みやすいうえに、内容も充実しています。

年末年始にくつろぎながら「幸せ」について考えてみるというのも良いかもしれませんね。

★コチラは漫画バージョンです👇 

 

★コチラは光文社古典新訳文庫です👇

 

 

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

 

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