『星の王子さま』の「キツネと王子」のような、飼い猫とワタシの関係
元保護猫の「おもち」が我が家に来てから1ヶ月が経ちました。
皆さん驚くかもしれませんが、まだワタシたちは「おもち」に触れることができていません。
★これまでのいきさつは、コチラからお読みいただけます。
mabelle.life
さすがにもうシャーっと威嚇することは少なくなりましたが、まだまだ懐いているとはいえない状態です。
そんな「おもち」と自分の関係は、まるで『星の王子さま』に出てくるキツネと王子の関係のようだと感じます。
今日は、『星の王子さま』に出てくるキツネと王子のストーリーをご紹介しながら、ワタシが「おもち」に対して抱いている気持ちを書いてみたいなと思います。
『星の王子さま』とは?
『星の王子さま』は、フランス人飛行士兼小説家であるアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの代表作品です。
原題はフランス語で『Le Petit Prince』。
200以上の国・地域の言葉に翻訳されている名作中の名作です。
【ものすごくはしょったあらすじ】
操縦士である「ぼく」はサハラ砂漠に不時着する。
翌日、小さな惑星から来た「王子」と出逢う。
王子は彼の小さな星で、1輪の「バラ」を大事に育てていた。
ある日、王子は「バラ」と喧嘩をし、彼の惑星を脱出する。
6つの惑星を巡った後、王子は地球にやってきて「ぼく」と出逢ったのである。
王子はある日、彼の星で彼が世話をしていた「バラ」にそっくりな5千本ものバラを見つける。
王子は、彼の「バラ」は宇宙に一本だけの特別な花だと思っていたのに、どこにでもあるつまらない花だったのだと思い、泣く。
王子が泣いていると、「キツネ」がやって来る。
『星の王子さま』の「キツネ」
この作品でワタシが一番好きなシーンは、まさにこのキツネが登場する場面です。
このキツネと王子のストーリーは、この作品の肝ともいえるほど、大切な何かを読者に伝えてくれます。
ここで、キツネと王子のやり取りを引用します。
(王子がキツネに)「こっちに来て、いっしょに遊ぼうよ。ぼく、とっても悲しいんだ…」
「おれ、あんたとは遊べないんだよ。飼い馴らされてないもん、な」
(中略)
「かいならす、って、どういう意味?」
「みんなが忘れていることだけどねえ。心を通わせる、って意味さ」
「心を通わせる…?」
「そう。心を通わせる。あんたはいまのところ、おれにとっちゃ、なん万人といる、どれもこれもそっくりな男の子の一人さ。おれにはあんたは必要じゃない。あんたも同じで、いまのところ、おれが必要じゃない。あんたにとっちゃ、おれは、なん万匹といる、どれもこれもそっくりなキツネの一匹だからな。でも、あんたがおれを飼い馴らすと、おれたちはおたがいに必要になる。あんたはおれにとって、世界でただ一人の男の子になる。おれもあんたにとって、世界でただ一匹の…」
(『星から来た王子』芹生一訳、海苑社)
キツネの話を聞いた王子は、すぐに自分の「バラ」を思い出します。
ワタシは、飼い猫「おもち」との関係を思い出しました。
というか、「おもち」と接しているうちに、このキツネのシーンを思い出したといった方が正しいかもしれません。
(キツネが)「なにかを知りたかったら、それを飼い馴らすことだよ。でないと、ほんとうのことはわからない。(中略)あんたは友だちがほしいんだろ。だったら、おれを飼い馴らしなよ」
「どうすればいい?」
「大事なのは、辛抱づよく、あせらないこと。最初は、あんたはおれからすこし離れて、草の上にすわる。そう。いまみたいに。おれは目のはしっこであんたを見る。あんたはなにもしゃべらない。言葉なんてものは誤解のもとだからね。それから、毎日、毎日、すこしずつ近くにすわるようになる…」
飼い馴らすためには、辛抱強く焦らないことが大事だとキツネは説きます。
少しずつ、少しずつ、相手に慣れて、距離を縮めていく。
まさしくワタシがいま、「おもち」に対してしていることです!
『星の王子さま』の続きは、ぜひ皆さんご自身で読んでみてくださいね。
この後、キツネは王子に飼い馴らされるのですが、別れの日がやって来ます。
そのときのキツネのセリフが本当にジーンとくるんです!!
ワタシにとっては、人生のバイブル的なものになっています。
「おもち」を飼い馴らすために
猫ちゃんを飼ったら、すぐにでも抱っこしたい!!
モフモフをこの胸に!!
猫好きならそう思ってしまいますよね。
ワタシも「おもち」がつれない態度を取り続けるため、ちょっと肩透かしをくらったような気がしていたことは確かです。
娘も「これなら、おばあちゃんちのワンコの方がカワイイや。だって、あたしが行くと飛びついてきてペロペロ舐めてくるもん」と本音をもらしていました。
でもワタシたち家族は『星の王子さま』のキツネの話を思い出し、グッと堪えています(ワタシがキツネ役になって、家族を説得しました笑)
前回書きましたが、猫ちゃんと接するときの鉄則:
「猫の目を、あまり見つめすぎてはいけない」
このルールを知ってからは、おもちと目が合ってもゆっくりとまばたきをするようにしたり、足のあたりを見ながら話しかけるようにしています。
そうすると、シャーをする回数が劇的に減ります。
そして、猫は高い声でゆっくりと話しかけられるのを好むため、ワタシはあと数年で50になるというのに、一生懸命、高い声を出して話しかけています(汗)。
最初のうちは、人間の気配がするだけで逃げまくって隠れてしまっていたおもちですが、最近、近くにいてくれる時間が長くなってきました。
しかし、ナデナデするなんていうことは夢のまた夢!!
まだ一定の距離を保ってのお付き合いが続いています。
キツネは言います。
「大事なのは、辛抱づよく、焦らないこと」
肝に銘じ、猫ちゃんず新米ママ業に精進していきたいです。
『星の王子さま』はとにかく深いです!
この作品を読んでいなかったら、ワタシはきっとおもちに対してこんなに寛大ではいられなかったような気がします。
皆さんも、機会があったらぜひ『星の王子さま』を読んでみてくださいね。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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