京都歩きと開運メモ

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『定年オヤジ改造計画』夫源病を患う妻を仮病という夫

垣谷美雨さんの『定年親父改造計画』と言う作品を読みました。

 

読む前までは、内館牧子さんの『終わった人』のような内容なのかなと想像していました。

👇以前、『終わった人』については記事にしました。

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『終わった人』との違い

『終わった人』は、定年退職後、することがなくなり焦った男性が現役時代のように生き生きと活躍したいと願い、再び働き口を見つけたりと奮闘するお話です。

 

主人公はまだまだ枯れきっておらず、ときには年下女性に淡い恋心を抱いたりと、外の世界に自分の居場所を求めていきます。

 

映画化もされましたが、主人公を演じたのが舘ひろしさんであることからも、主人公の<イケジジイ>具合は想像がつくことと思います。

 

これに対し、今回ご紹介する『定年親父改造計画』の主人公ツネオは、小柄で痩せっぽちのすっかり枯れきった<本物のジジイ>です。

 

俺サマ夫、ツネオ

ツネオは現役時代、退職後は妻と仲良く旅行をしたり仲睦まじく外出したいと考えていました。

 

ところがツネオの妻は夫の存在がうざくてうざくてたまりません。

 

おとなしく従順な専業主婦である妻は、長年ツネオから受け続けてきた精神的ストレスにより、「夫源病」を患ってしまったのです。

 

 

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定年退職した途端、妻に驚くほど邪険に扱われ、避けられていることに気づいたツネオは、最初のうちは妻に対し怒りと苛立ちを覚えます。

 

その上、33歳の一人娘も彼のことを「あんた」呼ばわりするのです。

 

さて、なぜスネオの妻は夫源病になってしまったのでしょうか。

 

この作品では、ツネオが自分ではそうと思っていなくても、いかに「俺サマ夫」であり家庭を顧みない人間であったかが描かれています。

 

ツネオの娘は非常に優秀な独身のキャリアウーマンです。

 

心と体を病んでしまった母親に代わり、娘が父親に父親の何が問題かを伝えようとするのですが、父親があまりにも常識外れで話の通じないことがわかり、会話をすることを諦めることも度々です。

 

例えばこんなシーンがあります。妻は気分が悪いと寝てしまい、ツネオが娘と二人で食事をするシーン。

 

食事を終えた後、ツネオは娘から「自分の食器ぐらい洗ったら?」と言われます。

 

(ツ)「母さんの仕事を奪っちゃ悪いじゃないか」

(娘)「それ、本気で言ってるの?」

(ツ)「母さんは精神的に参っているようだから、体を動かしたほうがいいんだよ。それに、母さんはもともと家事が好きなんだ

(娘)「はあ?母さんは病気なのよ」

(ツ)「心の病気は体を動かして忙しくしていたほうが治りが早いんだよ。暇だと人間はダメになる」

(娘)「父さん、もしかして家事と言うのは楽なもんだと思ってる?」

(ツ)「そりゃ会社で働くことに比べたら段違いに楽ちんさ

 

ツネオは、妻の<夫源病>は<怠け病>であると思っているのです!

 

自分がなぜ妻や娘から疎んじられているのか皆目見当がつかないツネオは、これまで養ってやった恩も忘れてひどい奴らだと怒りを覚えます。

 

ツネオの転機

そんなある日、ツネオは息子から「妻が職場復帰するから、これから子供2人(ツネオの孫)の保育園のお迎えをしてくれ」と頼まれます。

 

いやいや引き受けたツネオは、幼い子供2人の相手をすることに疲れ果て、また小さな子供と過ごす時間は自分の人生を無駄遣いしていることに他ならないと感じます。

 

やはり子供の相手ができるのは女性だけであり、自分たち男はいざと言う時に助ければいいんだと豪語するのです。

 

そんなツネオですが、嫌々ながら子供たちの相手をし、仕事を終え帰ってきた息子の嫁と接するうちに、自分はこれまで大きな間違いを犯してきたのではないかとやっと気づきます。

 

大きな間違い、それはすなわち、女性には元来母性と言うものが備わっているから、家事育児等は全て女性に任せればいいと思っていたことや、まだ小さい供を保育所に預け仕事をするような女性は頭がおかしいと思っていたということです。

 

有名大学を出て大企業で出世を果たしたツネオでしたが、実は女性たちの苦しみなどについては何一つわかっていなかったと言うことに最後に気づきます。

 

そしてツネオは人生最後の大仕事として、自分と同じような考え方をしている息子が将来妻から離婚を言い出されないよう、息子の頭の中を大改造しようと心を決めるのです!

 

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『定年オヤジ改造計画』を読んで

私には子供はひとりしかおりませんし、娘が小さかった頃は実家の母が手伝ってくれることも多かったので、この作品に出てくるツネオ妻や息子の嫁のように、夫に殺意をおぼえるなどという事はありませんでした。

 

この作品を読んで、自分はかなり恵まれていた方なのだということを知りました。

 

それと同時に、自分の娘の将来のことが心配になりました。

 

もし娘の結婚相手が、改心する前のツネオや息子のようなタイプだったら、娘はきっと不幸になってしまうと思ったからです。

 

女性と言うものはすべからく家事や育児が大好きで、外で働くよりも家の中のことをしている方が幸せだと思い込んでいる男性たち。

 

そのような男性と結婚してしまったら大変なことになります。

 

「家事」は文字どおり「家のコト」。二人で暮らす家のコトは二人で力を合わせて何とかする。

 

子供は妻だけのものではなく、夫と妻の子供なのだから、夫婦協力して育てるべき存在。

 

そんな当たり前のことをしっかりと理解している子育てに協力的な男性とでないと、幸せな結婚生活が送れないのではないかと不安になりました。

 

 

さて、作品中に台湾人のイクメン男性が登場します。

 

かなりのエリートでありながら、同じくエリートである奥さんのことを支え、積極的に家事育児に取り組んでいます。

 

台湾では女性は皆外で働いており、三食外食で済ませるそうです。

 

台湾の人たちは非常に合理的で働く女性は家事をせず、掃除なども全てロボットにお任せとのこと。日本とはだいぶ事情が違うようです。。。

 

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台湾のルーローハン

 

 

ツネオを見ていて、たいしたことのないくせに妻のことを見下し、家政婦のように扱うよくある日本のダメ男だと感じイライラしました。

 

そして夫よりも優秀だったのに子育てのために会社を辞めざるをえなくなり、引きこもって子育てだけをしていたが、発狂しそうになり社会復帰したはいいものの、家事育児に協力しない夫のせいで心も身体も疲れきっている息子の嫁を見て、胸が痛くなりました。

 

この作品を読んで、日本の未来を憂いました。男性の意識が変わらないことには、この状況は変わる事はないでしょう。

 

テーマは非常に考えさせられるものではありますが、そこは垣谷美雨さんです。

 

ユーモラスな文章に、ぐいぐい惹きつけられます!

 

 

ぜひみなさんにもオススメしたいです。

 

私は娘にも勧めました(が、「まだ早い。25歳になったら読む」と断られてしまいました笑)。

 

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 

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